Copilot が使用できない Outlook

今月から Microsoft 365 Apps の Outlook でも Copilot が使用できるようになりました。
ただ、使用できるチャネルには制限があり、半期エンタープライズ チャネルでは使用できません。
通常、Outlook に新機能が追加された場合、半期エンタープライズ チャネルには半年以上遅れて実装されるのですが、Copilot に関しては以下のような理由により半期エンタープライズ チャネルで実装されないことが Microsoft 365 Admin Monthly Digest – Feb 2024 – Microsoft Community Hub で公表されています。

The speed at which Copilot for Microsoft 365 evolves to bring the latest and greatest to your users’ fingertips makes it ineligible for users running Semi-Annual Enterprise Channel. Having updates come 6 months apart makes it extremely difficult to provide a great experience for both users and IT. This goes beyond just generative AI, as the pace of technology in general only continues to accelerate. 

要約すると、半年の一度の修正というペースでは生成 AI の進化に追いつかないということです。
同様の理由で Office 2021 LTSC や今年リリースされる予定の Office 2024 LTSC でも Copilot は使用できません。

企業ユーザーなどでは安定性などを考慮して半期エンタープライズ チャネルを使用されている場合も多いと思いますが、Copilot を使用するとなると以下のいずれかの方法をとる必要があるでしょう。

  • 最新チャネルに切り替える
  • 月次エンタープライズ チャネルに切り替える
  • 新しい Outlook for Windows に切り替える

上記のどれが良いかとなると、半期エンタープライズ チャネルからの切り替えなら月次エンタープライズ チャネルがおすすめです。
最新チャネルは新しい機能がいち早く使用可能となりますが、それに伴う不具合発生のリスクもあります。
また、新しい Outlook for Windows については更新チャネルのような概念はなく、修正が不定期に行われ、管理者でコントロールすることもできません。

しかし、月次エンタープライズ チャネルであれば、最新チャネルで見つかった重大な不具合が修正された状態でリリースされることが期待されるほか、最新とその前の二つのバージョンがサポートされており、更新の頻度を 2 カ月に 1 回とすることも可能です。

そもそも半期エンタープライズ チャネルでも毎月セキュリティ修正がリリースされており、最近はセキュリティ修正に伴う問題が半期エンタープライズ チャネルでも発生しているので、半期エンタープライズ チャネルだから安定しているとも言い切れません。
この機会に、月次エンタープライズ チャネルへの切り替えを検討するのもよいでしょう。

Microsoft 365 Copilot が従来の Outlook でも使用可能に (ただし、要約のみ)

Microsoft 365 Copilot の Outlook での使用については、これまでは新しい Outlook を使う必要がありました。
しかし、12/6 にロードマップが更新され、Microsoft 365 Apps に含まれる従来の Outlook でも Copilot の展開が開始されたようです。

Copilot の使用には Microsoft 365 Apps のライセンスとは別に Microsoft 365 Copilot のライセンスも必要となるので、すべての Microsoft 365 Apps ユーザーが使用できるわけではありませんが、すでに Word や Excel で Copilot が使用できるようであれば、Outlook でも使用可能になるでしょう。

なお、現時点では要約機能のみの実装となっていますが、同時に追加されたロードマップによれば下書きとコーチングについても来年の 2 月に展開が開始されるようです。

Copilot を使うためだけに新しい Outlook への移行を検討されているのであれば、従来の Outlook で Copilot を待つという選択肢も考慮してよいのではないかと思います。