新しい Outlook で使用できない機能の第 4 回は「ユーザー」についてです。
ユーザーってどういうこと? と思われる方もいると思いますが、Windows 用の新機能と従来の Outlook 機能の比較 – Microsoft サポートの以下の比較テーブルを見る限り。連絡先やアドレス帳を指しているようです。
機能 |
クラシック Outlook |
新しい Outlook |
アドレス帳/Browsable (グローバル アドレス一覧) |
使用可能 |
部分的に使用可能 |
連絡先/People |
使用可能 |
使用可能 |
Listsにお問い合わせください |
使用可能 |
使用可能 |
連絡先カテゴリ |
サポート対象外 |
使用可能 |
お気に入りの連絡先 |
使用可能 |
使用可能 |
オフライン サポート |
使用可能 |
今後 |
連絡先をプレビューする |
使用可能 |
使用可能 |
アドレス帳/ Browsable (グローバル アドレス一覧) が部分的に使用可能となっていますが、これは以下のような制限があることを意味しているものと思われます。
- アドレス帳での名前とメールアドレス以外 (部署名など) が表示されない
- [名前のみ] での検索ができない
- 一定の数以上のエントリーがある場合、一覧表示が行われない
そして、一説には日本のみで需要があるといわれている階層型アドレス帳についても実装されていません。
「Listsにお問い合わせください」は英語では「Contact Lists」であり、連絡先リストのことです。
従来の Outlook の連絡先グループが連絡先リストになっているようです。
また、連絡先フォルダー自体でも、以下のような機能が実装されていません。
- 会議の作成
- 既存のビュー
- 移動
- 差し込み印刷
- OneNote に送る
- 連絡先の共有
- 共有の連絡先を開く
- サブ フォルダーの作成
従来の Outlook にあるような様々なビューがなくなり、[連絡先] ビューに近い表示のビューだけになったので、例えば一覧ビューで部署ごとにグループ化するというようなことができなくなってしまいました。
[分類] によりそのようなグループ化は可能ですが、いちいち分類を付けないといけないのが二度手間ですね。
サブ フォルダーの作成機能もありませんので、多数の連絡先の管理は [分類] のみで行うことになりそうです。
組織での連絡先の管理は Outlook ではなく Dynamics 365 を使いましょうということなのかもしれません。
そして、アイテム単位では以下の設定・機能がありません。
- フラグの設定
- 非公開
- 印刷
- 上司
- 秘書
- インターネット空き時間情報
- S/MIME 用の電子証明書
- 保存して新規作成
- 転送
- 会議
- Web ページ
- タスクの依頼
- 地図
- 名刺
- メールをドラッグアンドドロップしての連絡先作成
- メモでのリッチテキストや画像埋め込みなどの使用
さらに、連絡先に関する設定に関しては以下のものがありません。
- 連絡先の保存時に重複をチェックする (メールアドレスが重複しても警告なしで追加される)
- 追加のインデックスを表示する (英語のインデックスのみ)
- 可能な場合はユーザーの写真を表示する (オフにできない)
- 連絡先プレビューに名前だけ表示する (連絡先プレビューという機能自体がない)
今後新たな機能が追加されて、使いやすくなることを期待しましょう。