Exchange 環境における電子メール アドレス = LegacyExchangeDN


一般に、電子メールアドレスというと、"xxxx@example.com" のような SMTP アドレスを意味します。
しかし、Exchange 環境の Outlook においては、以下のようなフォーマットの文字列がメールアドレスとなります。

  /o=組織名/ou=管理グループ/cn=Recipients/cn=名前またはエイリアス

これは Active Directory では LegacyExchangeDN という属性で保持されているもので、X.500 という形式のアドレス文字列となります。
なぜ SMTP アドレスではなく、このような文字列がアドレス文字列として使用されているかについては、Exchange の歴史的な背景に理由があります。

Exchange Server の最初のバージョンは 4.0 であり、このバージョンで Exchange サーバーでのメールの送受信は X.400 という規約に基づいて行われていました。
X.400 とは、ITU-T (International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) という標準化団体で策定された電子メールについての標準であり、Exchange サーバーはその時点でのオープンな標準に適合するよう X.400 をベースとしたものとなっていました。
また、アドレス帳などをつかさどるディレクトリ サービスについても同様に標準規格である X.500 をベースとしたものとなっており、この規約の文字列が Outlook においては Exchange サーバーの受信者の電子メールアドレスとして使用されていました。
さらに、このバージョンではインターネットのメールはオプション扱いであり、SMTP アドレスを持たない Exchange 受信者が存在する状態でもありました。

やがて、インターネットの普及とともに SMTP が世界的な電子メールの標準になると、Exchange Server も 2003 から SMTP をベースとしてメールの送受信を行うようになりましたが、互換性のため X.500 形式のアドレスは現在でも Outlook での Exchange 受信者のアドレスとして使用されています。名前こそ LegacyExchangeDN ですが、現役で使用されているアドレスなのです。

したがって、Exchange 環境下では LegacyExchangeDN をむやみに変更したり、再利用をしてはいけません。
たとえば、UserA と UserB が同じ LegacyExchangeDN を持っていた場合、Outlook から見るとこの 2 人のユーザーは同一アドレスとなります。そのため、UserA に送るつもりが UserB に送られるというような現象が発生する可能性があり、誤送信の原因になります。

Exchange 環境における電子メール アドレス = LegacyExchangeDN」への7件のフィードバック

  1. ”本文に特定の文面を含む場合に、そのメールとファイルを添付して転送するマクロ”を参考にしたいのですが、”特定の文面”の条件をエクセルで複数指定して、そのすべての語句がふくまれる場合にそのメールをエクセルに記述したの指定のアドレスに転送するマクロを作りたいのですが、可能なのでしょうか? 環境:win7 outlook2010 excel2010 メール:exchange 開始トリガー・・上記VBAのまま新規メール受信時or指定ホルダー振り分け時のどちらか 条件語句・・単一→複数and指定(8個) 条件は直接記述→エクセルで指定管理 転送先アドレス→上記同一シートで条件指定の後ろのセルに指定 エクセルの記述(複数) 条件通しno、条件1、条件2、・・・条件8、転送アドレス1、転送アドレス2 このようなコントロールは可能なのでしょうか?

  2. Exchangeにおける電子メールアドレスについて、とてもよくわかる記事でした。
    現在、仕事上でOutlook用のマクロ作成を行なっておるのですが、色んな問題解決に拝見させていただいています。

    ひとつ、どうしても解決できない疑問があるのですが、ご教授下さい。Outlook2010を使用しています。
    新規でメールを作成し、差出人を.SentOnBehalfOfNameから 変更したいLegacyExchangeDNを入力して送信するマクロを作成しました。
    無事に完成し、送信も問題なく可能だったのですが、その状態ですと上述の記事のような羅列が差出人の部分に表示されており、
    それが本当に正しいものなのかわかりにくくなってしまってます。
    「名前の確認」ボタンを押す事によって正しい名前が表示されるのですが、その部分をどうにかマクロで作成しカバーすることはできませんでしょうか。

    • 残念ながら差出人については名前解決をマクロで実行させることができません。
      LegacyExchangeDN から SMTP アドレスを解決して、差出人には SMTP アドレスを指定するのが良いのではないかと思います。

  3. […] 以前このブログでも記事にしたことがありますが、Exchange 環境でのメールアドレスとしては LegacyExchangeDN という X.500 形式のアドレスが使用されます。 また、グローバル アドレス一覧から連絡先にエントリーを追加すると、Outlook での見かけ上は SMTP アドレスが表示されていますが、Outlook が内部的に使用するメール アドレスは LegacyExchangeDN となっています。 そのため、グローバル アドレス一覧から追加した連絡先エントリーをエクスポートすると、メールアドレスのフィールドには LegacyExchangeDN が記載されるという結果になります。 さらに、LegacyExchangeDN は組織内でのみ有効なメールアドレスであるため、エクスポートした連絡先を別の Exchange 組織でインポートすると、その連絡先を使ってメールを送信しようとしても配信不能通知が返ってきてしまい、送信ができません。 この問題に対応するには、インポート先で別のフィールドに登録されている SMTP アドレスの情報をその連絡先のメールアドレスとして登録しなおす必要があります。 このような処理を自動化するマクロを作ってみました。 マクロは以下の通りです。 […]

  4. 昔から Exchange Server を利用して上位バージョンに移行し続けているユーザー企業の場合、SMTP アドレス以外に X.400 アドレスをユーザーが保持していることが多いと思います。
    今も何かで利用している可能性があるのでは? という理由で削除しなかったり、新規ユーザー追加時にも電子メールアドレスポリシー等で X.400 アドレスを付加している状態です。
    X.400 アドレスは現在でも必要でしょうか?

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