Outlook の生い立ち


Outlook のバージョンに 1.0 や 2.0 というものはありません。

最初にリリースされた Outlook はバージョン 8.0 であり、Outlook 97 という名前がついていました。
Outlook のバージョンが 8.0 という数字から始まった理由は、Outlook の製品的な位置づけにあると考えられます。それは、Office 製品の中の一つというものです。Outook が Office 製品として登場した際、他の Office 製品のバージョンは 8.0 であり、名前には 97 がついていました。そこで、Outlook の最初のバージョンは 8.0 となり、Outlook 97 という名前になったわけです。

そして、Outlook のもう一つの重要な位置づけとして、Microsoft Exchange Server のクライアントというものがあります。
Exchange Server には専用のクライアント ソフトとして「Exchange Client」がありました。(そのままですね。)
この Exchange Client は Schedule+ とともに使用され、PIM ソフトとして動作するものでしたが、Outlook 97 はこれらの後継としてリリースされたのです。
つまり、基本的には Outlook は Exchange とともに使うことが前提で作られていると考えられます。
そのためか、Outlook 2003 までは設定の際に一番上に表示されるサービスが Exchange サーバーになっており、一般の ISP ユーザーが誤って Exchange サーバーを使う設定をしてしまうというトラブルがよく発生しています。
また、インターネットで一般的に使用されている POP/SMTP サーバーに対する Outlook 97 の機能は他のメール クライアントと比べると見劣りするものでした。例えば、複数のアカウントが作れない、サーバーにメッセージを残せない、BCC が使えないなどの制限があったのです。これらの状況を改善するため、Internet Mail Enhancement Patch (IMEP) というものもリリースされましたが、これは日本ではリリースされていないようです。

こうして誕生した Outlook 97 は 8.03 までマイナー アップデートされますが、すぐに新しいバージョンとして Outlook 98 がリリースされます。
この Outlook 98 では、HTML メールや S/MIME、vCard、vCalendar などさまざまなインターネット対応機能が強化されました。また、IMO (Internet Mail Only) というモードが追加され、これによって IMEP で追加された複数アカウントなどの機能が標準で使えるようになりました。

それ以降は、Office のリリースとともに Outlook もバージョンアップし、そのたびに新しい機能が追加され、一方で削除されていく機能もありました。例えば、クライアントだけでフォルダ共有 (実際には共有と言うより複製) を実現するネットフォルダという機能は Outlook 98 で追加されましたが、すぐ次の Outlook 2002 では削除されました。また、Outlook 2002 では IMO と C/W いうモード分けもなくなり、Exchange サーバーと同時に複数の SMTP/POP サーバーもサポートできるようになりましたが、Exchange ユーザーと SMTP ユーザーに同時に送信するということができなくなりました。

このように機能の追加と削除を繰り返し、いよいよ 1/30 に最新の Outlook 2007 が一般向けにリリースされます。(企業向けには既にリリースされていますが。)
これまで 97、98、2000、2002、2003 とほぼ 1-2 年おきにバージョン アップしていたのに対し、今回は実に 4 年ぶりのバージョン アップです。
おそらく 2 バージョン分ぐらいの機能追加はされていますので、いずれ少しずつ紹介していきたいと思います。

 

ちなみに…

Outlook Express というソフトウェアは、Outlook と名前がついていますが、Outlook の機能縮小版という位置づけではありません。むしろ、Outlook Express にはできて Outlook にはできない、という機能もあります。(HTML ソース編集や分割されたメッセージのダウンロード後の結合、NetNews へのアクセス、メッセージの MIME フォーマットでの取得など。)
どうも、インターネット用のメール クライアントにマーケティング的な意味合いで Outlook とつけただけという感じがします。実際、実行ファイル名は msoe.exe などではなく msimn.exe となっており、これはマイクロソフトがインターネット メール クライアントとしてリリースした Microsoft Internet Mail and News から来ていると思われます。

しかし、一般には Outlook Express と Outlook を混同してしまい、使っているソフトのバージョンとして Outlook Express 2002 や、Outlook 6.0 のような存在しないバージョンを挙げる方もいるようです。

そんなことがあったからかどうかは知りませんが、Windows Vista では Outlook Express はなくなり、Windows Mail という名前のソフトが付属されています。ただ、実行ファイル名は MSIMN.EXE から WinMail.exe に変わったものの、根幹の DLL は未だに msoe.dll だったりするので、実体は Outlook Express の次のバージョンと言えそうです。

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